ポッケ
昨日は札幌に来ていた三角みづ紀、それに山田航、久石ソナ、ぼくが合流し、すすきのと狸小路のあいだあたりにある、こじんまりしたジンギスカン屋さん「ポッケ」で呑んだ。いやあ旨かった。肉が塩ジンギスカンをはじめとしてやわらかく旨い。おまけに脂がすくなくもたれない羊だから、どんどん腹にはいる。肉の味そのものがあまみをたたえ、新鮮味もあって、都合いろいろ500グラム以上は食べたのではないか。小食のぼくにはありえないことだ。みんな旨い旨いと、火のとおったばかりの肉を旺盛にぱくついていた。野菜も焼いた。しかも飲み放題、食べ放題のお代が四人で12000円と、びっくりするほど安かった。店を探しだした久石くんに功労賞を。こんどは学生と行こう。要予約だろうが。
元気なみづ紀さんを称え、国家試験の出来が上々だった久石くんを称え、仕事を爆発的にこなしている山田くんを称える。久石くんのもつ小物のおしゃれ感をみづ紀さんが褒めるうち、「久石くん両性具有説」をぼくがだした。詩作と歌作のモードのちがいについて。ジンギスカン料理の発祥。山田くんの北海道コラム&短歌のすばらしさ。三角みづ紀の行動力について。俳人に詩人歌人よりも変人が多いこと。歌人がいちばん真っ当。岡井隆がぼく(阿部)の詩作にもたらした影響について。短歌と虚構性の問題。三村京子の現状。最果タヒと杉本真維子と暁方ミセイについて。オンデマンド詩集の利点と難点。新聞原稿の面倒。女性詩人はどんどん良くなるのに、男性詩人がどんどん頽落してゆくのはなぜなのか。詩作原理に難易度の設定が必然化してしまった不如意。それでも「わかる」ではなく「つたわる」がなければ、詩そのものが無惨だということ。語彙の削減。東京に帰るか否かの選択と運命。北海道大好きとみづ紀がいう。北海道のいちばんうつくしい季節。朗読のこと、中央線系のこと。詩の賞について。話題は次から次へと飛躍していった。やりとりは東京的。愉しかった。