fc2ブログ

棒 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

棒のページです。

 
 
【棒】
 
 
たとえばとおくへのびるながさを
この詩の棒で倍化してはかるときに
えられた倍数が喩となるというのでは
ぎゃくに詩は厳密でなくなるだろう
この棒そのものがのびてとおくとむすび
ながさがながさでさえなくなる魔法が
ながさとみえたもののむしろ実質であり
それも詩の棒のおよぶべき範囲なのだ
そうした範囲はいつでもあいまいで
ふれあうことがたえずはるかへのびる
おもしろいゆきぐもなど天になくて
ふきあれる土手で棒をまるくふるひとは
身の丈でおのれがなんの原基でもなく
ひとつのかぎりある回転だとしらせ
はつでんにならないはつでんをもって
詩の棒がないてゆくすがたもみせた
しぐさの無為のもともとのうつくしさ
うごく棒は遠方に円までうかばせて
ながいものが錯覚とつうじあうひるに
ながさの途中がきえる線をひろげる
 
 

スポンサーサイト



2015年02月11日 日記 トラックバック(0) コメント(0)












管理者にだけ公開する