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授業の朝 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

授業の朝のページです。

授業の朝

 
【授業の朝】


健一がしずくする
朝は葉に映ってあらわれる
たなびけばもう網ではない
という罠を
ひかりのなかに
しるしている世界の網だ

朝はふるい鹿に話す
それは数語で済む
表象関係の表象は

太陽のつめたさをもらった
ぎらぎらのメスで
昨日のおもたい手荷物を
シリツする
(おとよという婆ぁの
駄菓子屋さん、)
渦をまくルネッサンスの
穴があくまで

いっぽうで手許がくもる
手許を行人が小さくよぎるので
やがてあらわれる西瓜のなかに
入ろうとする田舎の歩みも
じぶんの畑に爆薬の種をまいた
もうすぐの夏が
パチパチはぜるだろう、そこに

まいて泣きわらうんだ、
直径2センチのたつまき(だよ

ちいさな肩をおして
十字架のならびたつ
教室へさしむける
その肩越しにみえた
音楽的なけむりも
さらに映像的にけむった

六月になれば魚の腹から
脂がへってきて
川の流れに苔いろがにじむ
おもいでなんてそんなもの
とおすぎる産卵かもしれない

今日は授業なので
宿題は高貴な灰のうずたかさ
このかばんのなかで
うすくねぼけているはずだ
 

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2008年05月19日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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