双
【双】
おわりちかいぺえじをめくると
さらなる連続なのかそれとも
それでしまいの対なのか
ふたつのものがあらわれるのに
ともあれおどろきをおぼえる
そうして繙読と生が似て
なまこをつらねた本の急場
なまりの底の左右づつに
ふかしぎな紐がたれている
双であることのえがたい摩訶
たがいであることの無際限
へただりがおおきさとなって
たまたまのみぎひだりも
ところのちがいから相似を
なだめられないものにかえる
この双が後続なくあばれるのなら
それまでの海鼠が轢き殺される
におうまなざしをつぶすべく
かおすらひらいて歎くひととき
ふたつの紐にしばられつくす