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段 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

段のページです。

 
 
【段】
 
 
わたしのおんなには
仮定というものがなかった
あるきながら死物を
ちらしてゆくだけでない
月明のさしこむ段があれば
そこにひかりの巣のあるかぎり
もう天心の月が起源ではない
そのようにそらんじてさえいた
うたではうたいかたが
むろん刻々の仮定になるが
わたしのおんなは詞のならび
いわば歯列にすぎなかった
そこにあることが巣をおもわせる
そんざいのひろがりとはなにか
とおく外階段をおりることが
そのものを銀の花嫁にするなら
わたしのおんなにはさけびながら
みずからゆくくだりもあった
すべて仮定なくしてただみえた
それが踊り場にて停止した
 
 

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2015年02月21日 日記 トラックバック(0) コメント(0)












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