韻
【韻】
ごまんとあるというとき
その字は五万でないらしい
そらをまるまるおおう
花火のようなものが
かぞえられる火の個々を
よこへながしうごいてゆく
そんな数のきえる臨界を
ごまんとよぶのかもしれない
かぞえられる詩をおもえば
一瞬をゆびさせない詩などは
ごまんというべきだろう
この詩のどこに鳥がいるのか
鳥とかいたその箇所もながれて
無とむすびあう気流だけが
ぼやけたとおくを沿いはじめる
とおくのすがたはいつも
ながれのくりかえしにすぎない
うごくものとはまず文脈だが
むすびあうならそれも
ごまんのひびきにかわる