闢
【闢】
ゆきのつくる鏡をまたぎこすと
その面にはへんなわたしがみえた
せつなをみおろしたのはたしかだが
わたしはすばやくひらきゆく股に
すがたすべてを集約されていた
それのみかすぎさるものの
たえがたい加速と残像によって
わたしのかたちまで失火していた
このことがうごきを鋏にした
あれのを切りつつあるなかでは
老いているのか否か貌すらみえず
この世をまたぐおごりだけが
としはもゆかぬおんなをうんだ
みえたものはこわいことに
みあげとみおろしのまざりで
わたしもそこにいたのだろうか
うごきは余韻めくものをゆらして
すかーと部分が冥い煤をあげた
そこからへんなこうもりがみえて
ひとつの開闢を裂きおえていた