fc2ブログ

海鼠以下二十句 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

海鼠以下二十句のページです。

海鼠以下二十句

 
一生を海鼠が笑ふ俳句性



薄紫篇落手ののちの手の不明



連れ立ちの朝即狆の目鼻飛ぶ



白天に触れんと水ゆ鯉すとふ



水神が水に三柱否百柱



牝鹿埋め来し赤畳横臥村



土母ドボと崩る魔天の下暗し



梅雨荒れや躯容量まま雨に消ゆ



繊花舞ふ厠の思考尿(しと)すれば



別形を念じ鯰に菱を蒔く



歌声の細々(さいさい)として蚊柱や



毒魔羅もつ男子の険や晩涼し



廃村に花粉流れて琵琶妊む



悪運や阿部嘉昭には阿部の雨



交みゐて女の麹を酔ひまはす



デーモンの足消える間をダン再読



暑き葉艶拡がる中を鶸ひかる



黄泉の音重くして耶蘇の乳ずれる



猜疑など闇に賽投げ出目知らず



木下闇鳥目を分かつ吾と虻と
 

スポンサーサイト



2008年05月22日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












管理者にだけ公開する