針
【針】
ゆうがたがきれいなら
そのしたをゆくひとらの
膵がきらめいていると
いつもかんがえてしまう
星をうつすかおがぼんやり
しょうじるまえの一刻は
身に針孔もあいてみえるのだ
そういうのがひかりだろう
ゆうがたには陽のかたのまぢか
ひっそりとしろさがこぼれ
ひとのものともそらのものとも
わけられない孔がかなしむ
おとろえをめぐらすくうきが
ありとあらゆるとおくをつたい
その金星に針をとおすのがかたい
せんかたなくまわりまでとらえ
視にじかんがまざらずにはいない
おなじきんせいはそれじしんに
いくどももどりかえって
にじんだりもしている