猥
【猥】
くらげはいきもののりそうだ
からだのほとんどがみずで
うちがわとそとがわの
べんべつなどつけられず
みずにただようだけの
いのちをあたえられながら
ときにおおきなむれとなって
うみなかをよぞらにもする
ながれをただよいながら
くらげのうごきはただ内外を
みずでくつがえすことで
とうめいにとうめいをなびかせ
みずをこまかいひだにかえ
おのがなみだとわらいを
ふるえによってまぜあわす
かいこんの代表たるべく
みずの一点をしずけさでかこい
かたちならすかーとのはずが
おんなでさえなくそれでも
ひわいななかみをみせつける