眸
【眸】
まなこはただの対ではない
それらのひかるまわりに
なにかまだらまでちりばめて
すべてをうすあかりさせる
かぜのふきわたりにまむかい
かおのなかば透くひとらが
まちをしろくぬけながら
ながくたれるやなぎを予感する
ひとつのきせつごとに
立体のしつがちがうのは
みえずおおきなかぜの面〔も〕が
夢大路ともいうべき場を
そこここへ置きかえるためで
おおくあるかれるみちなら
そのはてもとおくのばされる
おぼえる春画はうつくしく
おうらいぜんたいを筒にする
ひとらのからだのうちそとにも
おなじなだらかさがとおって
はなぐもるまなこのうるわしさ