新著完成!
新著がとうとうできあがりました。本日、一冊だけ手元に届いて、学内各所への納品分は週明けまでに届く由。またもや年度内ぎりぎりセーフの、薄氷わたりでした。
概要は以下。
『平成ボーダー文化論』 阿部嘉昭著
水声社刊 発行日2015年3月25日
四六判437頁 4500円(税別) 装幀・宗利淳一
【オビ文言】
「平成」の不気味――
衝撃の日本文化論
1989年におこった大小さまざまな事件をもとに、犯罪、メディア、若者、音楽、写真、女性、アダルトビデオ、マンガなどについて縦横に論じ、「平成」という時代を裏側から考察する。
ままならない
時代について
【目次】
序章 一九八九年論 9
第一章 もがく仕種の可愛さこそが――「不快の快」時代の魅力的な身振りだ 41
第二章 「死にたい」と「殺したい」のあいだ――「十七歳」の犯罪について 59
第三章 全体化の虚偽、現代的自殺――入間市「ネット心中」事件について 113
第四章 「稀薄」がキーワード 二十代はデュシャンの泉? 135
第五章 人界を穿つ闇――三角みづ紀『オウバアキル』書評 141
第六章 境界が溶けてゆく――太陽肛門スパパーン『馬と人間』について 147
第七章 一点に心を集めて小さくなってゆく――九〇年代後半のゆらゆら帝国について 203
第八章 ロボットと性 255
第九章 「小さな画面」の不如意を慈しむことについて 271
第十章 写真都市彷徨 299
第十一章 世界は一人の女に集約される 325
第十二章 ネット時代の書簡 343
第十三章 ドキュメンタリーとしてのアダルト・ビデオ 375
終章 境界突破した身体がそれじたい境界化する――あとがきにかえて 419
初出一覧 433
大学サイトに書いた自己PR文も貼っておきます。
「境界」をキーワードに、社会事象とその周辺文化をかなりスリリングな手法で分析しました。一見、社会学かサブカルチャー研究の趣がありますが、アカデミックな手法、着眼が分析の端々に入り込んでいます。平成の年号成立以来の「若者文化」の変化と不変性を考えるのに好適な、ポップな本になっていると思います。