青
【青】
水をこぼしつづけるしごと
そのようにからだも渓流となって
うごく奇異を月あかりへしるす
まんげつにちかづいてきて
なにかあおいものを岩が欲し
おとの領域にあおさをこぼすのだ
よい音がよいひとのきぬずれ
よいかたちならばいつも変化で
つきのはらにするあやとりの
ゆびのとおさに似ているだろう
からだをあおくゆびにわける
ひらいてとじて裂け目をつくり
一体をひとにも約言させない
おまえはおもうことがないのだろう
いっそ月あかりのしごとをごらん
立往生は見かたによれば蛇口
この世にも開閉があまたあって
うら地のあおがほとばしっている
ぬれた魚籠の眼をそれらへ組んでも
うちがわすらその眼がかこめない