階
【階】
階段のなかみはなににあるか
ふみづら裏か蹴あげ裏にあるとして
いずれ不敵にわらううつろだろう
階段はおなじばしょのあらわな自乗
なかみが刃物となる想像でもある
のぼることがおりることになる
えっしゃーのだまし絵がすき
まえからみあげるとじゃばらで
ひとののぼりおりをあま噛むから
どの家でもそれはかいぶつの
おもいでにひらけた歯列なのだ
そとにくちやさけびをだした
くらい反階段のたてものならば
きざまれるきざはしが譜のかわり
うたを宙にうかばせるちからは
列そのものの波打ちからうまれる
みろ外階段をつうじたてものが
きむすめのようにほそながくなる
地階への跨線があふれだして
どだいが土の屑をねじりあげる