鉤
【鉤】
どんどんおおきくあおくなる
きもちわるいものをせおっている
おもみが肉へおもみをたてて
こぶともなればせなかがまがる
よろけてとおるぜんしんが
こわばるまがりを架けられて
はく息までもが鉤へと転じ
どこか木片めく不器用にはまる
もえでるものの一瞬をのがさない
あれは芽じゃない彎曲だろう
そうして草あかりを釣るように
はやしをめぐってみたりする
闢くとするか剖くとするか
からだの裂開には見当がない
なげた武器がいつも手許へもどる
ぶーめらんの習いとなるだけの
くの字か鉤こそが玉条なのだ
せかいはうるわしいくびれから
かぜにうるむ畸形をみせて
そこからの枝をせおっている