浴
【浴】
いちじちがいがすきだから
屋上を浴場となして
まはだかのわたしらは
屋根の傾斜でゆあみした
すべらんようにという
かたりあいがきらめいて
せっけん玉をはじきながら
あらいあうからだを倍化した
陽と風のなかでうごく
みあげられるみだらには
みだらなりのいにしえもあり
せかいをあらうわたしらといえた
こうぜんとあることに
ちぶさその他がこうこつする
あらえばいんががふえて
いちじくのおとこはおんなに
虹のおんなもよりおんなになる
あらいどころかくしどころが
だんだらにひらきあって
ゆのごとく屋根はあふれた