倶
【倶】
きれいなおんなとともにいれば
「ともに」がやなぎになる
たかさをながさとしてゆれて
のぼるくうきをすいあげる
それでも蒸発好きの眼は
かたちのくずれをみとめた
そうだったいつのまにか
このむやなぎも剪られていて
あるときはゆれやまない
糸から糸へのこずえにさえ
庭師のはしごがながく
たてかけられていたのだろう
あるはずだったながめのふしぎを
すべてがおくれてからみあげ
おんなといる「ともに」が
さらにやなぎになってしまう
あやふやなものに添うはしごは
それじたいたかさなのか
わたしに添う「ともに」なら
たかさとちがう気配であるだけ