迅
【迅】
せなかにくうきをおい
あるくごとに
てまえをひきぬきながら
くうげきをふやしていった
ゆっくりのなかに
はやさがおくまれば
ひかりも四方にちらばる
みちと路傍にくべつのない
あたりのたいらには
そらがたしかにおりていて
かるさをすべってゆく
そのあしどりでは
あしがなにもとらない
ゆくところはいつのまにか
とおい水上となり
たちどまれば紐のすがたで
なにかをみずへおろせる
のばすからだを垂線にして
あしもとへ幕をひろげ
はやさはとじられる
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きょうから女房がくる。ことしはさくらがはやく、女房も札幌GWのさくらを堪能できそうだ。染井吉野より、蝦夷山桜、千島桜をいっしょに訪ねたい。北海道のさくらは多様で、その多くにさみしさと野趣がある。
いつものことだが、女房が密着すると、とたんに詩がかけなくなる。じぶんが吸われてしまうのだ。いまは詩集の仕上げ時期。完成をのがして、女房のいるGWにまたがってしまう不作を避けたい。亀岡さんに詩稿差し替えの無理をおねがいした以上、鬼のくるまえの駆け込みセーフをねらっていた。
それでこのところ、いちにち二篇にちかいハイペースで詩をつくっていった。発表がいそがしすぎてFBのいいね!も減るのだが、なに構うものか。いまのこれで予定収録数の72篇。詩集ははれて満尾となり、女房の来札まえに無事メール入稿できる。なにをやっているのか。じぶんでもよくわからない。
それにしても一日に詩篇ふたつは疲れる。脳髄が灼ききれるようだ。小樽の同人誌にも詩篇を、もとめられるべつの行数で書いて、三篇しあげた日すら最近あって、そのときはもうふらふらだった。
この最後の詩篇では、縁のふかい貞久秀紀さんのおもかげを追ってみた。詩集ぜんたいがそういうトーンだとおもったので。ぜんたいのながれは、ストックとして貼ってある原稿でこのところしつこくたしかめている。たぶん大丈夫だろう。
ということで、以後当面は女房に日々をささげ、ネットアップをおやすみします。