本日の北海道新聞夕刊
【本日の北海道新聞夕刊】
本日の北海道新聞夕刊5面に、ぼくの「サブカルの海泳ぐ」連載第14回が掲載されています。今回串刺しにしたのは、エドワード・ヤン監督『恐怖分子』、ロベール・ブレッソン監督『やさしい女』、それに松井啓子さんの『くだもののにおいのする日』。そう、80年代上映作品と80年代刊行詩集の「リバイバル」を論じることで、日本の80年代がなんだったかをつたえる仕組になっています。とりわけ上記映画2本は新聞にゆるされる語彙で解説するのが難しい作品ですが、その難関をどうクリアしたのかをみてほしい。
さてこの5面では異様な「占拠」がみられます。ぼくのコラムは左上に位置していますが、その下が札幌シアターキノでの学生映画感想文募集のイベント告知の記事で、先日のイニャリトゥ監督『バードマン』での上映後のトークイベントが、ぼくの壇上写真とともに紹介され、しかも次回のヤン監督『恐怖分子』のトークイベント(これもぼくによる)まで告知されています。
それだけではありません。なんと5面のトップ記事は、ぼくの同僚(文学研究科、映像・表現文化論講座)の中村三春さんが、林洋子、クリストフ・マルケ編『テキストとイメージを編む――出版文化の日仏交流』(勉誠出版)を懇切に解説、しかもその下にはやはり同僚の水溜真由美さん(サバティカル休暇中)が、内戦の記憶を展示の方法で作品化してきたコロンビアの前衛アーティスト、ドリス・サルセドの個展を紹介しています。これはアメリカからの寄稿。つまり映像・表現文化論の面々で、公的な新聞のひとつの面すべてをめずらしくも占有してしまった恰好。なにか機関誌『層』の飛び地がいきなり道新に生じたようです。とうぜんこうして同僚どうしの記事がならぶと、文体比較など、想定外の「誘導」も起こるんだろうなあ。
というわけで、本日の北海道新聞夕刊は、映像・表現文化論の学生には必携。読んでないとモグリとよばれるかもしれません。たしか一部100円だったとおもうので、日のかわらぬうちにキオスクやコンビニなどでご購入を。