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狼以下二十句 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

狼以下二十句のページです。

狼以下二十句

 
狼と大君の差を芥子咲けり



狼声に千走る千の錆び鑑



狼が霧にちぢんで灰こぼす



犬霊が狼となる無礼崖



旗に入る狼どもや雲荒るる



将棋盤百千並べる灰海波



いちぢくを剥けり食人兆すまで



畜生と石油の縁や井戸周り



胡坐して千手に錫もつ花乞かな



蓮座には琅玕楼と幻狼と



竹揺つて凶天を摩す滅種狼



血のなかに滅種狼あり網走や



地も滅び狼語残量なくなりぬ



狼の胃のかたちなる花菱や



狼貌の男ふたりの二瓣ばな



孵すものなき狼の胡坐美(は)し



驍将は狼頭巾し視てをはる



狼狂は蠱魔汁このむ色好む



脚とれて滅び野犬のホトとなる



煩雑や盗が走りて百病巣
 

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2008年05月31日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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