くいた
【くいた】
とおりあめがとおりぬけて
きみのからだをすこしぬらすと
くさのわけみちもとおりとなって
そのふかい中途できみのくびが
しずかにうつむいたとみえた
そらをおもわしめしぐさが
ふたえにみえにと曇るんだな
それがすがたの階段なら
きみのちちぶさのたかさでさく
さぎそうがきみのあばらの
うすいひろがりかもしれない
ちからなく膂がばらついて
しろいかさをわすれたとくいた
なるほど瘡を朝湯へおいて
あとにしたやども笠とみえた
あのことがこのことの前
みえるものがとおりすぎて
みえないものをちらしてゆくと
きみの微塵もまきあがった