こもれび
【こもれび】
はんぶんだけみるよろこびを
はんぶんだけあるきながら
かげのなかにほこりたてていたが
じんせいのまはんぶんへ
途中入場するぜいたくなど
もうなくなったとなっとくして
身の左右どちらを欠かしてみるか
つらつらみばえをはかるうち
くうを割るおのれがまだら
移りごこちもはんぶんになり
身と思いとがひとしくつりあった
そうこうするとはんぶん鳥が
こずえからとびだしてきて
その片翼だけがひかってきえる
たべられたすがたをしたので
ゆきさりも日に日に欠けゆくと
おのずからふりかえられた