声の鳥
【声の鳥】
しずかにうきしずむ声をもっている
しぐさをつかいホノカのまことをかくす
その声は大小ではなく遠近をかえて
こころのまなかではなくへりをつかむし
みずのまぢかを上下してなみもかたどりする
なにかの鋳型かとおもいまえから圧をかけると
もんしょうはかなしくつぶれけむりにばける
声の鳥、とおくの鳥をよこぐもする声
ゆきぞらがいつでもひとのまとなのだろう
そこを井戸にしてとりあえず声はせりあがり
おおわしのまぼろしがこれにすぐともなう
北地にいて声もかわる、さけびはしない