分銅
【分銅】
さっぽろへくるときがらくたといっしょに
ふれっと音痴のぎたーをすててはきたが
ないぎたーをいまもつまびくことがあって
はじきだす二音へと声をのせるうたいかたが
つぎつぎにものごとをはかる天秤のように
ときの蕩尽をゆるやかにおさめるのだ
はかりあう発声はかたちをひらめかせるから
ことばがみだらにつるみあうのをふせぐ
それでもことしはなぜか十二月にゆきがきえ
した草だけにまだらゆきがしろじろのこる
てんびん、ふんどうおとしてどこへかたむく
ふかぶかと風のとおってゆくこの歌ののち