光陰
【光陰】
愛にかかわるなにごとも不可逆に循環する
似たうごきが波となってくりかえされるとき
うごきそのものがほどけ、またむすばれる
ふたつのあいだには錠のようなつなぎがあり
そんざいをこえた寓意とそれをよんでみる
じぶんらでない鍵穴と鍵がふかみでであい
しばられるなんのうみへびとおもいながらも
互いをいよいよ互いにするべく扉がひらく
海峡がみえる、とふたりのなづきがぬれるが
沖のないひろがりにすぎないとわかりあえるか
ひとときとそのつぎがおなじ胎からの姉妹となり
えにぐま、ほそりゆく海峡にも光陰がゆらめく