チェルシーホテル第二番 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

チェルシーホテル第二番のページです。

チェルシーホテル第二番

 
 
【チェルシーホテル第二番】
 
 
『ジャニス リトル・ガール・ブルー』の初動成績は良かったようだが、この週末はどうだろうか。ジャニス・ジョブリンの深層にせまる、きめ細かいドキュメンタリーで、音楽史的な価値もふくめて感動的だったが、ゆいいつ惜しかったのは、ジャニスと交わした愛の記憶をフォークバラッドの名曲にした、レナード・コーエンへのインタビューのなかったことだ。いまや老齢のコーエン自身に、死期が迫っているのかもしれないなあ。その歌、「チェルシーホテル♯2」を、すこしジャニス寄りに意訳して、以下にお届けしておこう。ちなみにコーエンは当時、『嘆きの壁』は著していたが、まだシンガーソングライターとしては駆け出しだったとおもう。
 
 
【チェルシーホテル第二番】
レナード・コーエン(作詞作曲)
 
チェルシーホテルに連泊していたきみのこと、あざやかにおぼえている
きみの話しかたが誇りにみち、しかもあまやかだったから
まだメイキングされていないベッドのうえで逸るきみはぼくにあたまをあずけ
ホテル前の路上ではスタジオ行のリムジンがきみの出を待ち構えていた
そんな特例だったからおぼえている、ニューヨークでのこと
ぼくらはみな、カネと肉体だけ追いもとめていた
歌づくりの者らにとってはそんなことすら「愛」とよばれていたんだ
それはいまそこらに時代遅れのままたむろする連中でもおなじだろう
 
でもきみはファンから死にむけて背中をひるがえした、そうだな?
きみの死は・背中をひるがえした・だけなんだ
きみはたしかに去っていった、それでもぼくは喧伝されるようなことを聞いたことがない
「あなたしかいない」「嘘よ」「あなたしかいないの」「嘘よ」
そんなバカげたゆれにくるしむきみの混乱など
 
チェルシーホテルに連泊していたきみのこと、あざやかにおぼえている
きみはすでに著名で、きみの乱心も伝説だった
くりかえし、しつこいくらいに言っていた、「ハンサムがすきなの」
でも(みにくい)ぼくにも例外でしてくれた
きみは(注射のために)こぶしを握りしめた、ぼくらみたいな者
そうぼくら、美の幻影に取りつかれた厄介者のために
きみじしんはまぜかえしてわらうだけだった「気に病んじゃダメ、わたしらはみにくいけれど
そのゆえにこそ、わたしらには音楽があるんじゃないの」
 
それからきみはファンから死にむけて背中をひるがえした、そうだな?
きみの死は・背中をひるがえした・だけなんだ
きみはたしかに去っていった、それでもぼくは喧伝されるようなことを聞いたことがない
「あなたしかいない」「嘘よ」「あなたしかいないの」「嘘よ」
そんなバカげたゆれにくるしむきみの混乱など
 
きみが最愛のおんなだったというつもりはない
墜落していったコマドリのひと齣ひと齣までははっきりしない
チェルシーホテルに連泊していたきみのことをたしかにおぼえてはいるが
おもいだすのももういまでは、ひんぱんでなくなってしまった…、それだけのこと
 
 

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2016年10月01日 日記 トラックバック(0) コメント(0)












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