新規10句その他
●新規10句
枯草の自洗さびしき穢(わい)の暮
鮮らしき腸(わた)花にあり霧薔薇(さうび)
韮花の段なすゆゑに昇りえず
愁ひゐてわが腸千切り風となる
恋すれば木妖を森なべてに見き
焉力に縮む雄鶏(をどり)の屈が我
中止してわが黝き「時肌」を撫づ
炎天や水へ溶くものかぎりなし
肝古りて草の酒飲む月の有無
おばけ世を万の傘ゆき起点消ゆ
●コミュ「色彩論」に書き込んだ一句
存在の門に葉が降り鹿も見ゆ
●コミュ「悲劇の誕生」に書き込んだ一句
柩寸(きうすん)にわが身固めて屋根に佇つ
●盛田志保子さんのミクシィ日記に書き込んだ一首
光る夏にトロッコをもて侵(い)りゆけばいづこの奥も不一ならざる
●田中宏輔さんのミクシィ日記に書き込んだ一首
まつらはぬ眼差しのさき石庭は石に還らぬ石あふれたり