せいくりっど
【せいくりっど】
さんびか「かつてゆきをてのひらへ汲み
ながれはしないとぜつぼうりにつげた
なじみないにくたいのようなものの
しろくつめたいさまがおそろしかった
うたとちがうかたまりはなにもふくまず
それでもすこしあたたかみをおびると
せいならぬあまさをてのくぼみへかえし
わたしらを仮死のままにことなりとした」
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「現代詩手帖」2月号、特集=ボブ・ディランからアメリカ現代詩へ、がとどく。いろいろありましたが、拙稿「歌唱と朗誦のあいだ」が掲載されています。お読みいただければ(上掲の詩篇もディランの気分)
今朝の札幌はなまあたたかい雨がふり、それまでの積雪がみにくくなきだした。みちゆく女性たちはコートのフードでぶっきらぼうに頭髪をおおうことをせず、カラフルな傘でゆきかっていた。からだに屋根のあるさまの、すきまを上方にもつ祈りのふぜいの、なんとうるわしいことか。とはいえ春の予感にはまだとおいのだが。