減衰のうた
【減衰のうた】
いやらしいことを
かんがえるといっても
おんがくのへびが
みつにおぼれるなど厭だ
ましてやおんなの髪を
かばしらとみるのも御免
とどのつまり生家の
のきしたのわびしさや
いぬのあほうめいた
はらみせで濁しながら
はなのしたをのばし
とろりとさゆをのむだけだ
それよりも劣情するには
むっつの具体でできた
あれごりーをうかべ
まばたきのさきで
かたちがだしいれされる
不定こそよいのではないか
ほしをやむというなかれ
きっと効能はかおみずから
ふられる手旗のような
白あれごりーにまとまる
あぐらをほこりっぽくしつつ
みぢかなけものにたくした
にんげんのものがたりが
ただたださしせまった
ふいごや蟻や棒術の
うごきとなるのが妙味で
けいれんする仙術といえた
すなわち幽暗のたぐいを
もろくもふるくゆらしては
へやのいちばんとおくへ
いやらしさをとばしてみる
あたまのきれ味いいのと
あたまのくるっているのが
わからないあわれさなら
ゆらすほど濃くなるもので
ともだちにしてくれるかなと
おのれをまるめてもいい
あれごりーはむっつを裂いて
あなをひらいたりしていて
かたるにひゆがまずしくとも
ゆれればゆれのひゆになる
その骨皮のぼろぼろな
近似値あればじゅうぶんに
ひとでなしのひものだが
もちろん申すにおちる
近似値がいやらしいのだ