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天和 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

天和のページです。

天和

 
【天和】


二度と死なぬために
あれから天和を画策した
天使の髪毛ともいう
そんな領域に顔を隠して
小さなものの輪郭に生ずる
光暈を眼で数倍にした

密約が蜜薬と同音なのが
せめて日本語の救いだが
耀きを得るため摩すべき
言葉の屍体などもうない
粒となって脱引力飛翔する
天軍を遥かに見やって
同盟の文なら草書に流した

私の内奥に私を隔つ
旧往からの二川がある
この分岐のために
手始めから和了して
以後共謀の局面を
笑い流すこともできず
灰のようにしらばっくれては
胸の白紙を明日にしてみせる
「綺麗な三色を流した」

意外に身通った恐怖は
この腕と脚のあいだに
鈍く深く共鳴していて
私は全身の鋏となり
歩行のまにまには
草原をまた斬ってしまう
ことに運悪い曇り日には

牌すら砕く
バラバラが足跡だったな
人生音楽の私は





この詩篇のアップのついでに最近の書き込み報告も。


●なにぬねの?倉田良成さんの食日記に書き込んだ短歌


紫陽花球語るに百の語り方しづかにまはる色幻なれば



鬱球(うつだま)といふは世外の水ふふみ退転ほかなきあぢさゐの花




●ミクシィ依田冬派くんの詩日記に書き込んだ歌


午前四時東京の空に摺り手して手を冷やすこのマイナスイオン
 

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2008年07月08日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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