ダナイス
【ダナイス】
みずをふるいにかけると
みず以後がこがねにかがやき
しゃがんだあしもとへと
ゆっくりおちてゆくようで
しいられた作業がやめられない
かわらにしゃがむのだろうか
いくたびくりかえしても
みずわかれがいろをふくんで
とりもつじぶんまでもが
みずの背後でぼやけながら
揮発てきにきえかかっている
ひとつの迂言法としてあり
みずをまたみずへ放生するのは
なんのかさねだかわからない
ともあれしたゆくながれの
下たるをおもいだすのも
ふるいをくぐらせては
ながれをつかんでしまう
手のうごきのおもみからだ
まなこならまえへむくが
うつむくと顔のおもみもたれて
おんなのようでいることには
ちちふさがかずおおくある
うではむなぢをつめたく
わけるこころもちでいだされ
ふるいやるしぐさをおどりにし
まはだかのひとりしごとは
みず以後さながらまとまらない
ころしてしまったにあえぐ
ほかの五十人たらずもいるのか
かわらはみえないながさで
みずくみは場所の刑でもあるか
身の部位のうごくしくみを
だれかがかぞえているというのか
そもそもいつからいつまでか
わからない幅へしずかに置いて
しごとのうしろにすきまあるのを
きれいとおぼえたそのせつな
おのれがみずからにたいし
ふるいとなっているのだから
にくたいはこわいところにいる