支度 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

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支度

 
 
【支度】
 
 
やがてみずからを架けるものを
せおいながらもあるかされる
そんなすくせになけてしまうが
おもいかえしてみれば樹は
みなそのことをかたちにして
なおあるかないだけなのだった
げっせまねはそうしてみえた
ぜいたくが眼にあるのでないが
まぶかくあお木をながめつつ
木椅子にしずむひとはきれいで
ひたいとあたまなら木製の
ほしでまるくつつまれている
かたわらへにぎりあう手を
はなしてひらけばもくめがあり
てばなしたものがてのひらに
うつくしく転写されている
かくのごとくおもむろに
いかだなどになってゆくが
どこをながれるでもない
ものの恍惚が部位をわけて
からだのひとかたまりが
えだわかれする不安のうち
花の部分をおしえへさしだし
わたしらのゆれうごきに
風のとおさをくらくひゆした
かたさがやわらかいというため
たましいのてがたい柔弱を
さききえる花ばなの反語だと
つたえたことさえあった
かなしい歌はこうきこえる
きんもくせいの北限はどこだ
ここらではかおったことがなく
あお木の葉のあるちいささを
せおってあるくすがたのみ
ひとにもさがすしだいとなる
しあわせに似るすぎゆきが
ながめるものをゆたかにして
こつこつとあたるようなハグを
くりかえしてはつかれてゆき
やがて抱擁が打ち綿で包まれる
みずからのみえなさの奥に
みえていたみずからを架ける
はずかしいからだがウディ
そうおもいひとの世をしぬのだ
 
 

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2017年10月03日 日記 トラックバック(0) コメント(0)












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