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針 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

針のページです。

 
 
【針】
 
 
短針のないとけいのまるさへ
愛の上手なひとにいざなわれた
うえはらひろみトリオライヴ
ゆびのかこいをたてものにして
しろやくろへはわせるはやさ
おとをはじくのでなく、つかむ
そのせつなにすべてこぼれてゆく
きのうやあしたなどにじまず
いまだけのすすみがあらわれて
まばたきも秒でなくなるから
ことがらのまるさへ沿うように
めいもくがまなざしを蔽って
回転でわけられたなにかが
かたちにちかくきらめいてゆく
からだひとつを耳にしきった
かおのないふか秋のあいしかた
口外できずにたもってきたものだ
めしいが刻をこがねにするのを
からだのうらに貼りつくして
そんざいの関節へむかいだすと
きしんでいるのもあしぶみでなく
むしろ詩というものの機械だと
よろこびがことばのふちちかくで
切羽つまるそれがながれだった
うえはらひろみジョイライヴ
おおくひとは生々しい針をわすれ
うつろいを短針ごとにならべて
やさいやさかなでただみたし
そのさみしさだけをあわれんで
あれはだれによるゆうやけなどと
せかいをひとがちにいう愚をおかす
といかけることがまちがっている
しつもんとは棒のようなもので
こたえのひろがりをつきさすだけ
おととともにすべてうごかしたなら
しつもん以上のものが胸あたりを
きんの箔さながらに圧搾しおえ
おとのひとのあふれをなげうたれて
うすさふかさの一致がしるされる
うえはらひろみきんいろライヴ
みたりであることのとおいはるか
くだものをそれぞれもちかえながら
いろみをだしてゆくたくみさで
からだにあるあけびやくりやすすき
かおの梨までがおわってゆくのを
針のうごきのゆれるうらがわに
おぼえつづけて、そこへかさなる
 
 

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2017年10月24日 日記 トラックバック(0) コメント(0)












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