三鷹
【三鷹】
さみだれ式とは何の梯子だったか
鯊の世は三日で見事に干上がった
眺める、炎熱が裸木を覆うはごろも
犬の明眸も気楼ののちを去った
陰を守ってはしばみに身を寄せる
実に負う来世の小さなきらきら
憂えた図が殷う天下ともなり
その八寸のものを遥かに遠望した
まなつの裂だらけのチョウザメ
左に泳ぎ右に乱れる真ん中を
冥視内の冥視が切れて入れ子する
あさっての画は諸姉が振り向かない
懈怠して瘢痕をえがく水は
退老により三鷹を動かないでいる
晩の百合湯のため桶を買った
輪郭もまた毒気濛々に流れるだろう
めわらわがいう「髪の毛をあげる」
まだ乳が淡く暈け先も尖らない
此世の勲章もずっと木蓮にあって
白でも紫でもないものを消した
夕暮れは行人の唇を盗みはじめる
無口のまま万人が還ろうとしていた
後ろ姿の町とおもう一瞬があって
爾後がところてん式の個々だろう
外れながらまた天文台を見つけた