小だらぼっち
【小だらぼっち】
眼を閉じた箱として
わたし歩くあるく箱
足許の水溜りの論理で
頭のなかのもやしが
黄色くびしょ濡れになる
わたし歩くあるく箱
(こんなのが給水なんて)
ぜんまいはわたし撫でた
少し湿って寂光土の皺々
蔦が疑問符をひねりだす
風景も鏡だらけに照り返し
皺いがい何事も嗅がない
わたし歩くあるく箱
虹の根がみたいなあ
八幡平から追分山へ
実る青林檎に沓をかけて
点在の愁いと鐘の音
ゆっくりと昇ってゆく
百歩で粥の世など抜け
わたし歩くあるく箱
【小だらぼっち】
眼を閉じた箱として
わたし歩くあるく箱
足許の水溜りの論理で
頭のなかのもやしが
黄色くびしょ濡れになる
わたし歩くあるく箱
(こんなのが給水なんて)
ぜんまいはわたし撫でた
少し湿って寂光土の皺々
蔦が疑問符をひねりだす
風景も鏡だらけに照り返し
皺いがい何事も嗅がない
わたし歩くあるく箱
虹の根がみたいなあ
八幡平から追分山へ
実る青林檎に沓をかけて
点在の愁いと鐘の音
ゆっくりと昇ってゆく
百歩で粥の世など抜け
わたし歩くあるく箱
Author:阿部 嘉昭
評論家、詩作者、
北海道大学大学院文学研究科准教授
(映像・表現文化論講座)。
58年生、札幌市在住、東京移動の際は映画漬け。
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・「阿部嘉昭ファンサイト」は以下。
http://abecasio.s23.xrea.com
【著作(単著のみ記載)】
『北野武vsビートたけし』(筑摩書房、94)
『野島伸司というメディア』(図書新聞、96)
『AV原論』(関西学院大学出版会、98)
『松本人志ショー』(河出書房新社、99)
『日本映画が存在する』(青土社、00)
『精解サブカルチャー講義』(河出書房新社、01)
『実戦サブカルチャー講義』(河出書房新社、02)
『椎名林檎vsJポップ』(河出書房新社、04)
『68年の女を探して』(論創社、04)
『日本映画の21世紀がはじまる』(キネマ旬報社、05)
『成瀬巳喜男』(河出書房新社、05)
『少女機械考』(彩流社、05)
『僕はこんな日常や感情でできています』(晶文社、07)
『昨日知った、あらゆる声で』(書肆山田、08)
『マンガは動く』(泉書房、08)
『頬杖のつきかた』(思潮社、09)
『日本映画オルタナティヴ』(彩流社、12)
『みんなを、屋根に。』(オンデマンド思潮社/アマゾン、12)
その他、作詞・作曲参加アルバムに、三村京子『東京では少女歌手なんて』(メタ・カンパニー、08)、同『みんなを屋根に』(キティ、10)がある。