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悲しい瞳 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

悲しい瞳のページです。

悲しい瞳

 
【悲しい瞳】


SAD EYES、
視線を繭にこもらせて
内側に木霊が響かうなか
二色に春秋を明滅させれば
女の時もやがて失せるので
冠に巡りなんてものもない
最後の星辰のかわりに
女らしい青霧が
ゆっくりと川を渡って
眼は現れた朝に単純に添う
添うだけだ、
この信州

これが時計だというのか
この眼が。
液体を流しているのは
しかし生誕を誤った臍で
こぼれないように
砂でできた橋を踏み張るのみ
半分に切った紐に
左端があるなんて誰がいえる
そんな橋であるから
以後だっていえないことが
唐辛子の並ぶ道につづいて
犬の気随な歩みも
軸が振れるだけで炎上
それがたとえ
足跡を隠す方便だとしても

左円と右円という具合に
Eがふたつあるなら
あいだのYが瞳孔
そこに埋もれていった
女の連なる季節もあった
「こぼれるもので
時間を測ってはならない
時間までこぼれてしまう」
これこそ眼の根拠だとおもうが

計算尺で解答を合わすように
鋸か女の瞬きをしながら
視野に葡萄棚を殖やしてゆく
(スティリターノ、)
世界が実数で割れなくなって
田の字のかたちを元手に
四つの領地も入れ替わるが
配膳に似たその動作の
時間規則がついにわからない
SAD EYES、
眼は鄙に着いて憂う
木道で渡された
複雑な地形を流れてゆく

答が「半盲」となるよう
歩ミノ間 ニハ
瞑目ヲ繰リ返シテ 進ンダ
答に通ずる薊が
いっぱい咲いていた
 

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2008年07月28日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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