少女萌え
襖より少女を嗅いで葱冴ゆる
夢喰つて快刀乱麻獏女(ばくぢよ)斬り
接いで剥ぐ少女の原資よるがほに
凝血なく白くみだれてロトの裔
夏むすめ下着をとほき樹に置けり
はつあきは蜥蜴のゆびでまはす水
躯には銀漢のあと漆食む
総身より魂(たま)出でゆきぬ鬼と寝て
少女往く還りは骨の小さ鳴り
連夜をとめとなるものを視る蓮かげに
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「なにぬねの?」で近藤弘文さん主宰のコミュ、
「タイトルで詩歌句」がまたはじまった。
今度の主題はまあ、「少女」。
10句出したので、備忘のために上に載せました。
テーマがテーマなので、
破礼を踏みそうでスリリング。
僕は「なにぬねの?」では
コミュがいちばん面白いとおもう。
俳句づくりはずっと抑制していた。
今年の夏までに躍起になって作句し
まとめたものが句集単位で完結したとおもったので
(僕のサイトに『草微光』としてアップされています)。
ただ、なんかまた躯が俳句モードになり、
近藤さんに、柴田千晶さんと僕で、
コミュ立ち上げをリクエストした経緯があります。
少女句は結構むつかしい。
「趣味」で、つんのめりそうになるので(笑)
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ついでに。
今日、三村京子のミクシィ日記に書き込んだ返詩と、
盛田志保子一家の盆帰りをことほいだ歌も下に貼っておきます。
少し以前、僕の日記がペーストを使った
「書き込み報告」にずっとなっていて
そっけなさすぎる、という批判が僕の教え子からはあったんだけど、
書き込みでこんな詩歌句を書いたよ、というのは
SNSにはあっていい日記内容なんじゃないかとは
いまだにおもう。
「手柄」の主張めくのはむろん駄目だけど、ね。
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【手】
手は
手にあらざるものを
通過して
透明をつかんでゆく
麦が透ける向こうに
夕陽がみえ
手は無為になろうと
真夏を垂れる
捕縛を待つ
滝の手は
やがて夜の流れにも挿す
手がそうして殖える
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炎昼を北上しにゆくうろくづと恋をしに行くそれだけのこと