卒業
【卒業】
みなみ風のはげしく荒れる日は
爾後もおぼえているにあたいする
おなじ舌が空でひるがえりやまない
わたくしどもの生きはさみしく
ものを祝うならその渦中にではなく
事前と事後の二度にこそそうすべきだ
渦中ならしずかに惜しみそれでも
祝意を倍にせずどう元がとれようか
予感しつつおくれだすこころばえが
たずねてする予祝のさだめだった
ことばみなが見送りだとも知っていた
みなみ風のはげしく荒れる卒業は
まなこをあけられぬまぶしさ
かおにきざまれたささくれすら
いならぶみなをいたみあげた