てのひらでなく
【てのひらでなく】
てのひらはうちがわをつくる
それゆえひとのくぼみをさわれない
まぢかのからだの盲目の箇処に
この星のくうきをうすあおく置く
まちがっていることをするたのしさ
ほんとうはふたつは同時にありえない
でも盲界には等高線があまたあり
こころのおなじたかさをつなぎだすと
手と手がうごく、さわる映画となる
からだでパズルができないことを
さわりは衝突のつながりにしてゆく
てのひらではなくむしろ
いたく痛い内そとのさかいに
うすくすておかれるような
てぶくろなのだ、わたしらは