おんなのかお
【おんなのかお】
おんなのかおがなぜ
おんなのかおにみえるのか
それをかんがえるのがすきだ
まなざしの向きや
まゆのかたちによるのか
かおはあたたかいみなもだし
そのひみつも草書もゆれる
かおのまえでかおとして
ちりぢりになっているもの
かがやきをあつめる
うつくしいごみのようななにかが
ひろがりもせずさだまっている
にぶさは一瞬のあさい奥にある
フローラじたいうめつくしではなく
しずかな深度とつげられて
くち、はな
ゆっくりわらうかおのうごきに
わらいいがいがさざなみだち
ひとつ通過であるべき表情へと
石が落ちたのもおぼえている