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乳房とほく流れよ ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

乳房とほく流れよのページです。

乳房とほく流れよ

 
白花をゆびもて挟むあらはれし昔ただ切れわが半減期



すこしづつ死ぬを常とし色失くすわがうつしみと空の鳶の輪



常闇の黒かがよひをとほりたり手にもつものも美(は)しき黒とす



性愛に異境ありせば性愛の外もとよもす滝つ瀬のおと



凶獣がしりぞく今の葉裏見ゆ銀をなすもの白へとただ褪す



千年の白ともおもふ忌み曇りさくらと霊の境つかめず



川上に人あるべきを葛の花踏まれもせずに匂ひ古りたり



千年を耐ふる喩として色もなき鴉ゆきかふ曇り空など



歴年が艶なるゑみを返すなら一刀のもと寵姫血まみれ



ちちぶさは谷底の花ながるるに壊死なくば乳房とほく流れよ






昼までにつくりあげた十首をアップすることにします。
最初の九首がコミュ「タイトルで詩歌句/「百年の孤独」「海と毒薬」」へのもの、
最後の一首が依田冬派くんのミクシィ日記への書き込みです
 

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2008年08月26日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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