皮膚
【皮膚】
うすいのに皮膚は脳とおなじで
かんがえがみえがたく走り
それじたいでないようにひろがる
とりいれをむかえては桃み梨み
ちがうはだとまざりあおうとして
そこに全裸や体位まで兆すのだから
なみだのなかのように皺んでゆくのは
からだからはなれていつもさみしい
かんがえのはだざわりをまとめ
だまって皮膚をたてようとするおりも
みさきで沖をのぞむけはいとなり
身のあかしにはクロッキーがたりない
いちまい二枚さんまいと
かぞえられるかんがえのかなしさは
雁行にさも似てとおくにつらなり
わたしたち汀線があるだけの
なんとひどい日没なのだろうか