あまねい
【あまねい】
副詞しかのこらなかったはかなさ
あまねくなどがそれで
い、でおわる詞にかわらなかった
あまねい、とひそかにつぶやく
きれいなひとへおぼえてみる
そのものがふるえるだろう
あふれるいずみのようすすら
さらなる形容詞にしてみたいが
ことばはひびきをゆるしても
とくていがこわれるのをきらう
はでに橋上でさかだちをして
橋をもちあげているとうそぶく者
けれど川はどうなったのだ
つながらないまぢかのへだたりは
かなしいとだから書いただけだ
あまねいとはしるせなかった
かなしいとだから換喩しただけだ