遅延
【遅延】
写真の顔へまるごとを置く
ひとつかみの雪か
なにかにすぎないけれど
みつめかえすものはいつも
ひえていなければならないし
とおりぬけてたどりついたなら
ひびわれてもいなければならない
ひょうめんにふかさなどない
そんなかんがえをわすれようと
写真の顔へふらちなことをすると
ほらやがておもざしがとけて
そらおそろしいの空がうごきだす
みかえすまなざしだって
こちらをとおりこす坂
あゆむまちにくるしむようだ
うつくしいかおとは
おくれてむかいあうが
遅延のもとはいつでもこちらなのだ