屈託
【屈託】
むかしの中央線の
あれはなんとよぶべき色だろう
おれんぢへくすんだピンクがまざり
さしのべたうでのなかそのいろで
たおやかなはだかがもえきった
なにかをみはるかすとき
遮断機をおぼえてしまうのは
かんがえのじさつにもにていて
とおくはそのようにあった
からすはけれどもとべ
とぶまでをみればじさつがきえる
ばくしんしてくる列車を
だきとめる詩ばかりが
こうこつともてはやされた
まなびやへむかうあゆみのおりは
とうとつにまちがってしねた
あれもみやこへひかれた横一線
わたれば屈託がおとなく斬られて