休閑
【休閑】
うすずみのようにうごいて
文字でないけはいが
戸口から戸口へながれた
かぼそい橋をふとくこえる
でみずをものらへつげにきた
はるでもある、いきおいは
うすずみもてひがしではじまる
こもりつくしてみごもる鬱
老いを懲するこうした乱麻は
しぐさまでようなきものにするが
手首からまず息をぬきだして
はだかのこずえこずえに
ゆきげをのぞむひとみをすかす
ほどかれたからだの墨汁は
それでもかたむく身をけすよう
おのれへかえらねばならない
いたりあにくるしみをおぼえる
かつてはそこで黒シャツをまとった
やがて眼路にあふれた枝垂れを
なみだであらいきよめ映しなおす
みてに掃かれぬ、この休閑のなかに