飛沫
【飛沫】
天のゆうがおのもと
いしだたみのとおくを
ゆうれいがあるくのをみなでみた
ばるこんからみなでみながら
まどごとにわかれだち
くるった祝婚をうたいあげた
だっていまわしいものにさえも
王冠あるふかしぎが詩ではないか
あの二重の、あのかすれは
もとはさみしいつみとがだった
はいることとにじむことが
そくざにも似てしまったのだろう
集合アパートたるゆえんは
まむかいからみたまどの乱立
それらが図形をしていると
ひとごとのオペラがつたえあい
くれなずむふきあげとなる
とてもちいさくなった水のつぶが
その最小によりくろくきらめき
点から点へちからをまとう
うたごえの喉はまなこだからみている
からだがひろく裂けたそこで
くずれさせる舌のおのれをみている