夜翅
【夜翅】
おおいなるものがくる
ひとのかたちはしていない
そうきまじめにつたえながら
ほとりにてひとの髪をあらった
ひとのかたちでないこわさを
かんがえたことはあるか
かたちじたい融和的だという
ほうそくがこわれた場所に
ろうそくは吹き消される
みた、かみさまはどちらだ
ゆかない場所をもつ生が
はやりだしているし
流行もかたるべきことだが
おおいなるものがきて
ことをものが、しのいでしまう
みつばちのかたちに熱がでて
くものすのきれいさに咳うまれ
ひとつひとつすくなさに
あながあいてゆくこの恥だ
やまないあめがふるよと
ほとりにてひとの髪をあらい
むかしどおりにみあげたのだが
よわさはどちら、わたしのなかか