悲歌
【悲歌】
すぐさまやかれてしまう
かおをみられることもなく
こつつぼにてかえされる
わたしらにもともとあった
けがれがすがたになったのは
たったふつかのあいだだったが
ひとよとふつかがことなる
そのさかいめはけしきにもあり
ふじのしだれがゆれている
さなかをゆきたいとねがって
バルディーニの花の隧道へ入る
花のみず、うすむらさき
水漬いてしまうからだこそ
なにかに鳴るものではないか
この身はこつつぼに似て
ひつぎとはことなるのだと
おのれからあゆみでる歩みが
おみあしのしろがねにかわって
かぎりの悲歌をうたいあげる