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二十吟 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

二十吟のページです。

二十吟

 
彼岸まで千句ほど憂き幅もあり



詩相とは昼のほのほの視えがたさ



のどくろや三界に白なく焼かる



飲食(をんじき)に草を添へては身を騾馬に



まなそこの樹齢を破る無色虹



朝朝に露ある恋のおろかさよ



鰭なくて泳ぐレテとて底は秋



乗る背なき人牛(くだん)かなしや何問ふも



複眼をねがはずもけふ蜂の貌



妊み女やかぜ膨らまず白流る



をみな率(ゐ)て遊山の果てや武具の塚



的なき世かぜ着流して歌となる



明治とは帽子の世とよ絮の原



水と水混ざる他界のなかをゆく



満願にならない曼珠沙華の型



千歳後の倭人伝かなこの俳も



竜飛などおもいて脳裡の風分ける



まぼろしや朝顔鉢の十の花



しろたへの鹿組み伏して綺羅綺羅す



黄金(わうごん)や百寝ののちの我を労(ね)ぐ
 

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2008年09月07日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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